Monday, 19 December 2016

Ashes and Diamonds

今年のポーランド映画祭で鑑賞したアンジェイ・ワイダの『灰とダイヤモンド』(1958)。

永遠の勝利の暁に、灰の底深く
燦然たるダイヤモンドの残らんことを

劇中で主人公たちが訪れた墓碑に刻まれた詩の一節。
闘争と、血の色と、ロマンティシズムにもう胸がいっぱい。

何故こんな名作を今まで観ないで生きていたのだろうか!


時は1945年、ナチスドイツが降伏し、第二次世界大戦も終わりに近づいたころ。
ワルシャワ蜂起のレジスタンスとして戦ったゲリラ兵の若者マチェクは、
新政権の指導者でソ連と密な関係にある共産党幹部のシュチューカを暗殺するよう命じられていました。

任務を遂行することに何の迷いも無かったマチェクでしたが、
暗殺計画実行前夜、バーで働くクリスティーヌと恋に落ち、彼の心は大きく揺れ動きます。

祖国の大義か、愛する人との未来か。

「恋とはどんなものなのか、今まで知らないでいた。」

悩みに悩んだ挙げ句、彼はひとつの決断をするのでしたーーー。


それはきっと昼下がり。教会近くの高台で、何とも牧歌的に物語がスタートしたかと思うと、
とたんに場面は銃撃戦へ。
モノクロームの美しい映像は、今観ても新鮮だと感じるカットの連続で、
瞬く間に物語の中へと引き込まれてしまいました。

特に映画のクライマックス、戦勝を祝う人々のリクエストを受け
飲み屋の楽団が、ポーランドの生んだ大作曲家ショパンの軍隊ポロネーズを奏でるシーンは素晴らしかったです。
なんとか主旋律をたどっていたポロネーズのしらべは、やがて不協和音へとなってゆく。
しかし十分すぎる祝い酒を体に流しこんで喜び踊る人々の耳に、その音の不快さは届かない...。
ナチスドイツの支配が終わり、ソ連の衛星国となった新生ポーランドの未来が、
必ずしも輝かしいものではなかった、ということの象徴のように感じました。


「普通の人間として生きたい」という願いすら叶えられずあまりにも儚く散っていった青年の物語。
反政府分子が主人公であるにも関わらず共産党政権の検閲をくぐり抜けて発表されたこの作品には
歴史に翻弄され続けたポーランドという国の悲哀、美しさ、そして強さが詰まっていた。

いい映画は時代を越えて愛されるのだと、改めて思った夜でした。

Thursday, 27 October 2016

Best wishes on their wonderful journey


心の底から祝福しかなかった2016年9月25日。

お互いの実家が徒歩5分で、幼稚園から高校までずーっと一緒だった大好きな幼馴染みの晴れの結婚式が
前日までの曇天が嘘のように晴れ渡った仙台の空の下で執り行われました。

幼稚園の卒園アルバムに「将来の夢はお嫁さん」と記し、

中学でも高校でも「こんなドレスを着たい、あんな場所で式を挙げたい」と語っていた彼女が
真っ白なプリンセスラインのドレスを身に纏い、教会の扉の向こう側に佇んでいる。
その美しい姿を目にした瞬間に、わたしの頬を涙がつたったし、
「あっちゃんの結婚式には絶対わたしがスピーチするからね!」という子供の頃の約束を果たすべく
直前まで何度も何度も練習して挑んだ友人代表スピーチでは
昔を思い出し感極まってしまい、涙目になりながら震えた声で本番の役目を務め....
「おめでたい席でもみっちゃんは泣いてばっかりだ」と、高校の同級生に笑われてしまったけれど。

それくらいに、わたしは彼女のことが大好きで、家族のように大切に思っているのだ。


たくさんの人に祝福される盛大な結婚式。
わたしも十分に、幸せをお裾分けしてもらいました。

どうかどうか、2人の幸せが永遠に続きますように。

Monday, 26 September 2016

A Woman Who Breathed Life into Photographs

三菱一号館美術館で開催していた「ジュリア・マーガレット・キャメロン展」。
春に招待券をいただいており、行ける日を心待ちにしていた回顧展のひとつでしたが
なんだかんだ忙しく、展覧会が終了する1ヶ月程前にやっと訪れることができました。

セピア色の写真の数々とレトロかつクラシカルな三菱一号館美術館の雰囲気の組み合わせは完璧で、
それはもう大層贅沢な時間を過ごしたよ!

美しい青色を背景に1866年撮影の「ベアトリーチェ」が切りとられ、
その下には流れるようなFrom Lifeという白い文字...。
購入した図録は裏表紙がとっても素敵!

1815年に7人姉妹の2番目として誕生したジュリア・マーガレット・キャメロン。
父は東インド会社の上級職員、母はフランス貴族の子孫という家庭のお嬢様は
23歳で結婚し、6人の子供が独立すると、英国ワイト島のフレッシュウォーターに生活の場を移して
写真制作を開始することとなります。
きっかけは、48歳のクリスマスに娘夫婦からプレゼントされた一台のカメラでした。

ジュリアはすっかり写真の虜となり、精力的に写真家として活動を始めます。
驚くことににその1年半後にはサウス・ケンジントン博物館(現V&A博物館)に作品が買い上げられたそうな。

当時、写真といえば被写体をしっかりと記録して真実を伝えるための手段であったのに対して
ジュリアの撮る写真は、イタリアルネサンスの絵画を意識したような構図で
モデルたちが宗教上あるいは歴史上の人物に扮した姿であったり
数枚のネガを1枚の写真におさめた、合成写真の先駆けのようなものでした。


St. Agnes (1864)

May Day (1866)
*Source

彼女は自身の写真に対する思いを次のように語っています。

「私の夢は、詩や美しいものに精一杯身を捧げ、真実をまったく犠牲にすることなく
理想と現実を組み合わせることで、写真の品位を高め
写真にハイ・アートの特徴と有用性をもたらすことです。」

絵画を模倣した写真、作り込んだ演出もと生まれる写真は、当時高く評価されるともに
批評の的になったそうです。
それでも彼女は自分らしい作品づくりをやめることはありませんでした。
写真が芸術作品として世に認知されるようになったのは、キャメロンの活躍あってこそと言っても過言ではないかもしれません。

彼女の作品は、写真の被写体や構図以外に写真のプリントにも特徴が見られます。

当時の写真印刷技術は「コロディオン湿板方式」と呼ばれるものでした。
ガラス板に薬剤を塗って、乾かないうちに写真撮影を行い、さらにそれを硝酸銀に浸す必要があって...。
今では考えられない程に厄介で神経を使う作業だったため
1枚の写真を作る過程でほこりや指紋が写真に映り込んでしまい、失敗をすることも多くなかったと言います。
また、長時間の露光中にモデルが動いてしまっため、
折角撮影した写真の被写体が見事にぶれていたこともしばしばあったとか。

写真にほこりが付いてしまったり、モデルの顔がぼやけてしまったり。
これは通常、失敗、と言われます。
しかしジュリアは、この「失敗」も、作品の一部として扱い、
そしてそれらは見事に写真の主題にとけ込んでいるのだから、本当にすごい。
写真の隅っこに彼女の指紋の映り込みを見つけたときには、
とても微笑ましい気持ちになりました。

19世紀の最も重要かつ革新的な写真家といわれているひとりのイギリス人女性が生み出した作品は
撮影されたのが100年以上前であるということが信じられない位に生き生きとしていて
今にも動き出しそうな「生」が感じられます。

ときには絵画のように、ときには実験的に

彼女の写真は、シャッターひとつで簡単に写真をとることができる時代を生きるわたしたちに
写真の奥深さと楽しさを教えてくれます。



Monday, 29 August 2016

Blue Summer Blue

今年のお盆は、東京から久しぶりに弘前へやってきた従兄弟たちと、おばあちゃんの家で再会した。

一流企業の研究員として働く、優秀で非の打ち所のないお兄ちゃんと
親族ながらその美少女ぶりにため息しか出ない、大学4年生の妹。
ひとりっこのわたしにとって本物の弟と妹のような、可愛い可愛いふたり。

田舎のお屋敷のだだっ広い和室で、蝉の声を聞きスイカをかじりながら、たわいもない話なんかしちゃって。

夏!

真夏の木々が青々と輝く奥入瀬渓流へ車を借りてドライブ。
川のせせらぎの音が気持ちよいよ〜。

澄んだブルーが印象的な十和田湖の展望台にて。
ここへ来たのは高校の遠足以来だった。

酸ヶ湯温泉近くの地獄沼。
美しい景観と裏腹、沼からは硫黄の含まれたガスが発生するため、どんな生き物も生きられないのだって。

夜はおばあちゃんの家のお庭で、15年ぶりに皆で花火。
90歳のおばあちゃんは、今やもうすっかり大きくなった孫たちの姿を
目を細めながら嬉しそうに眺めていた。


清く正しい田舎のお盆休み。

大の大人がはしゃいで笑って、まるで子供に戻ったようだった。

それでもわたしたもう、子供のころと違って、全てのことが永遠に続くのではないと知っている。

だからこそ、来年もまた、皆でこんな風に過ごせるといいな、と切に願っている。


Wednesday, 10 August 2016

MAN UP

7月末、振替休日の木曜日。

当初の予定が急遽変更となってしまい、少しだけ残念な気持ちになりながら
それでも折角暑い中新宿まで来たのだし映画でも観ようかなと、上映時間の近い作品を検索。
なんとなく、シネマカリテにて
滑らない男サイモン・ペグ主演、ブラインドデートが題材のラブコメ『マン・アップ』を観ることにしました。

そうしたら、これがもう予想外に大正解。
予定がキャンセルになったことに感謝してしまうくらい良い映画だった。


主人公はナンシー34歳、シングル。
友人がセットアップしてくれたパーティー会場へ行くも、
「あぁ緊張する...。ホテルに戻ってひとり『羊たちの沈黙』を観るほうがずっと気楽!パーティーなんかやめた!」
と逃げ出してしまう、恋愛に消極的な女性です。

両親の結婚記念日を祝うために実家へ向かっていたナンシーは、
初めてのブラインドデートへ向かっていたジェシカという若い女の子に出会います。
もう男性と知り合うチャンスだって無いし、自分は寂しく老後を迎えるのだ...とやさぐれるナンシーの様子を見かねたジェシカは、
ナンシーに"Six Billion People and You"という自己啓発本を差し出して、もっと前向きになるようアドバイスを始めるのでした。

差し出された本を返そうと、ウォータールー駅でジェシカを追いかけていたナンシーは
ジェシカのブラインドデート相手のジャックに声を掛けられます。
なぜならジェシカとジャックはあらかじめ、お互いの姿を見つけやすいよう
"Six Billion People and You"の本を手に駅の時計台の下で待ち合わせる約束をしていたから。

偶然が重なって、ジャックにブラインドデート相手と勘違いされてしまったナンシー。
なかなか本当のことを言い出せず
ついには自分がジェシカだと嘘をついてデートをスタートさせてしまいます。

・・・・・

軽妙なトークと辛辣なジョークが冴え渡る本作。
個人的に一番気に入ったのは『007』でクールなスーツに身を包み幕僚主任のビル・タナーを演じていたロリー・キニアが
ジェシカの幼なじみのめちゃめちゃ気持ち悪いショーンを演じていたところです。
彼がスクリーンに登場するたびに、映画館は笑いに包まれていました。
エンドロール直前まで良い働きをして物語のキーパーソンとなっていたロリーさんに
心からの賛辞を送りたい、と思う。

今年こそ人生を変えなくっちゃと意気込むけれど
いざとなると尻込みして、やっぱり今のままでいい、どうせわたしなんか...。
と後ろ向きになり、欲しいものを欲しいと言えないナンシーの姿に心の底から共感して、
たくさん笑い、ぽろぽろと大泣きした。

大人になればなるほど行動範囲が決まってきて、
新しい何かに挑戦することに臆病になる。わたしだってそう。

だから、ナンシーがモレスキン(多分)のノートに書いていた

”Take chances. Be more deviant. Engage with life."

この3つの言葉をしっかりと心に刻んでおいた。

チャンスの神様には前髪しか無い、と言う。
少しだけいつもよりも諦めなかった2人には、夢のようなエンディングが待っています。
観る者をとてつもなく幸せな気持ちにさせてくれる最後の10分間。
もうね、自分が笑ってるのか泣いているのかわからなくなった。

わたしの中の永遠の英国産ベスト・ロムコム『ラブ・アクチュアリー』に
勝るとも劣らない名作。

大好きな映画がまたひとつ増えてうれしい。

(サイモン・ペグはやっぱりすべらない男!)




Saturday, 18 June 2016

Explore the Wonders of Singapore

今一番気になる国シンガポールへ、3泊4日で行ってまいりました。

ポイ捨てには罰金!いかなる場所でもガムを販売してはいけない!ドリアンを電車に持ち込んではいけない!
ユニークなこれらのルールは全て快適な町づくりのため。
Fine Cityと揶揄されることもあるシンガポールはわたしが想像していたよりもずっとずっと
モダンで美しい都市でした。
それに加え、人がとっても親切で、何を食べてもご飯が美味しくて。

サウナに入っているかのような赤道直下の真夏の気候に不快指数は人生マックス、
外に出ればものの数分で汗だくになる毎日だったけれど

「シンガポールよありがとう!」

心からそう叫びたくなるような楽しい旅になりました。

一番のシンガポールらしい光景と言えばやはりこれではないでしょうか。
マーライオンの背中からの、マリーナベイサンズ。
間近で見るにつけ、マリーナベイサンズのその設計には度肝を抜かれます。
屋上のプールは皆のあこがれ。

マリーナベイサンズのエントランスドアを開けると、
エアコンの涼しい風にのって薔薇の馨しい香りが漂ってきました。
そこに飾られていたのは何百本もの薔薇。なんてゴージャス。

近未来植物園ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ。ここは本当に素晴らしかったです。
完全に計算され、作り込まれた自然の姿。
もう少し涼しかったら隅々までお散歩したかったんだけれど、
暑さにやられ、日陰で涼むばかりのわたしたち。

植物園の象徴とも呼べる、圧巻のスーパーツリー。
人工のツリーに絡まって生息している植物がてっぺんまで成長した暁には
まったく違う姿を見せてくれることでしょう。

暑さに耐えきれず、ストールでアイスクリームを注文。
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイオリジナルアイスのラベンダー味を頂きました。
ラベンダーの香りが口の中いっぱいに広がる名品です。
(ホワイトローズ味、なんていうロマンチックなフレーバーもあったよ。)

シンガポール定番の朝ご飯、カヤトーストセット。
カヤジャムという緑色の甘ーいジャムとバターがたっぷりサンドされたクリスピーなトーストに、
これまた甘ーいココナッツ入りのコーヒーと、温泉卵の三点セットが定番です。
軽やかでまろやかな口当たりが癖になり、いくらでも食べられちゃうから危険!
滞在中の朝ご飯は毎日カヤトーストでした。

プラナカン様式と呼ばれる、歴史的でカラフルな建設物が並ぶカトン地区。
西洋式のよろい窓が付いた建物に、東洋風の細やかなレリーフが施されています。
なんて愛らしいのでしょうか...!
近代的なシンガポールのビル群もよいけれど、
やっぱりわたしは昔ながらの可愛らしい街並に心打たれるなぁ。

プラナカン雑貨と取り扱う人気店。
入り口、窓のディスプレイ、壁のタイル、どれをとっても全てが最高に素敵。
お店の中ではおばあちゃんがレース編みをしていて、萌え。
アジアの可愛いが詰まったお店でした。

有名店「328カトンラクサ」にて、シンガポール名物のラクサを。
香辛料たっぷりのココナッツスープにあさりや海老がたっぷり入っていて
何ともにぎやかな味が口いっぱいに広がります。
これはくせになる味。
是非日本にも支店を出してほしい...!

ため息ものの美しさ。
どうかこれからも、この美しい建物が街の人々の手によって保護され手入れされ
永遠に後世へと受け継がれますように。

カトン地区で偶然見つけたおしゃれベーカリーカフェでしばし休憩。
偶然にもこちらのオーナーご家族は春に1ヶ月間日本を旅行したということで
すっかり話が盛り上がってしまい、小休憩のはずが大分長居してしまった。
フレンドリーなオーナーのお父さんと働き者のはにかみ屋な息子さん。
心の綺麗な2人に、心の底から癒されました。


お菓子のような色使いのプラナカン様式の住宅群は何度見ても飽きません。
こんな場所に住めるなんて、本当に羨ましい限りです。

街歩きをして足が疲れてきたら、チャイナタウンのマッサージ屋さんへ。
プロのおじさんたちに60分足裏をマッサージしてもらえば、すっかり足の浮腫みも消えて体がすっきり!
おしゃれ度や清潔度は限りなく低いですが、技術はお墨付き。
滞在中、このマッサージ屋さんには2度もお世話になりましたとさ。

同じくチャイナタウンの飲茶酒楼にて飲茶三昧。
もっちもちの皮に包まれた、ほかほかの海鮮たち。
紹興酒とあわせていただく本格的飲茶のおいしさよ。

開業より128年、シンガポール随一の名門ホテル、ラッフルズ。
コロニアル建築が美しい真珠のようなホテルです。
シンガポールスリングはこのホテルのバーで生まれたんだって!
宿泊せずとも、中庭で優雅な気分を満喫できます。

東南アジア最古の英国国教会、白亜のセントアンドリュース教会。
教会の中にあるカラフルなステンドグラスと、ターコイズブルーの天井の色の組み合わせが
最高に可愛らしかったです。

タイでお仕事をしている前職の先輩も合流し
セントレジスホテル内にある「ブラッセリー・レ・サヴール」にて優雅にアフタヌーンティーをば。
TWGの紅茶を片手に、3段トレイを彩るケーキやタルトを頂けるだけでなく
スコーン、フルーツ、様々なチーズのビュッフェもあったので
それはもう、お腹がはちきれそうになるまで食べちゃったよね。

昨年訪れたクアラルンプールと同様に、シンガポールでも様々な人種の人たちが暮らしています。
リトルインディアにある、天井細工が細やかで大層美しいスリ・ヴィラマカリアン寺院では
多くのインド系の方々が熱心に参拝していました。

こちらはアラブストリートにあるシンガポール最古のサルタンモスクです。
ぴかぴかと金色に輝くタマネギ頭が眩しい。
モスクの周りにはたくさんの露店が並んでいて、活気に溢れていました。

モスクの中は黄金と薄緑色で統一されており、しばしうっとり。
観光客のために、イスラム教の紀元、アッラーについて、偶像崇拝を禁止する理由について等
イスラム教の基礎的な知識が簡単な英語で書かれたパネルが掲示されており、
その横にはいつでも質問に応えてくれる優しいお兄さんも在中していて
イスラム教は平和を愛する宗教なんだと、力説してくれました。

旅の最終日は、マックスウェルホーカーズ(屋台村)の中にある人気店「天天海南鶏飯」にて
シンガポールチキンライスをいただきました。
ご飯にお出汁がしみていて最高に美味しいだけでなく、お安いんだから、何度だって来たい。
食後には冷たいライムジュースを飲んですっきり。

クラークキーにある、シンガポールの地ビールが飲めるお店「ブリュワークス」にて
マーライオンさんの描かれたグラスに入ったビールを。
クラークキーにはパブやバーが並んでいて、夜遊びに持ってこい。
街行く女の子たちが皆おしゃれしてはしゃいでて微笑ましかった。


シンガポールは決して大きな国ではないので
街歩きだけなら3泊4日で大体の場所をまわることができてしまいます。
だけれどこの街は古きよきものを残しつつ年々進化しているから
訪れるたびに新しい発見があるのだろうと思う。

日々進化する近未来都市!何度だって来たい。
(もう少し涼しい時期だともっとよいかも!)

Thursday, 26 May 2016

Il Gattopardo

うららかな水曜日の午後、久々に恵比寿ガーデンシネマへと足を運びました。

最近のわたしはNetflixとHuluのヘビーユーザーと化していたので
スクリーンで良作を観ること自体からすっかり遠ざかっていたのだけれど
映画館という空間でただただ作品に没頭することは本当に素晴らしいのだと改めて実感した。

ルキーノ・ヴィスコンティの『山猫』。
計算しつくされた美しさが、これでもかとわたしに迫ってくる体験。
なんと幸せな3時間だったことか・・・!


舞台は国家統一運動の気運高まる1860年のイタリア。
祖国の統一を目指す軍事家ガリバルディが赤シャツ隊と呼ばれる私設部隊を率いてシチリアに上陸します。
それは革命と闘争の始まり。

シチリアを長きに渡って統治してきたサリーナ公爵一家は、
刻々と変化する社会情勢に貴族社会の終焉を予感せずにはいられません。

作中で描かれていたのは、
自分の生きてきた時代が終わってゆくことを悟ったサリーナ公爵の哀愁と、
未来に希望を抱く彼の甥タンクレディの姿でした。

タンクレディはガリバルディを支持し、革命軍に参加。
その後、美しい振興ブルジョワの娘アンジェリカと恋に落ちます。
実は公爵の娘コンチェッタもタンクレディに想いを寄せていたのですが、
今や貴族よりも市民階級が財を成す時代。
これから変わりゆく社会で昇り龍のごとく活躍する(多額の金が必要となる)であろう
タンクレディのことを思った公爵は、彼がアンジェリカと結婚するように取り計らうのでした。
そして物語は、1時間続く舞踏会シーンへと突入します。

本作のフィルムは「マーティン・スコセッシが設立したThe Film Foundationとグッチの資金提供により、
2010年に約1億円の費用と1万2000時間をかけて修復された」(*sourceそうです。
撮影から50年以上経っていると思えない豊かな色彩とともに広がる素晴らしい情景の数々。
特に人が波のように押し寄せる戦闘シーンと、大邸宅が狭く感じられるほどに人で埋め尽くされた舞踏会シーンのシークエンスは
生身の人間がひしめくその温度感がスクリーンを通して感じられ、本当に圧巻でした。
いくらCGの技術が発達しても、こんな風に人間の放つ熱量までは再現できないだろうな。

そして併せて語られるべきは出演者の美男美女ぶり。
サリーナ公爵夫妻と7人のこどもは全員が彫刻のようですし
アンジェリカ役のクラウディア・カルディナーレも可憐な小悪魔っぷりが素晴らしい。
加えてタンクレディ演じるアラン・ドロンの美貌は眩しいくらいでした。
いくつか観た彼の作品の中でタンクレディの彼が一番に美しく輝いていたのは、役柄のせいなのでしょうか...。

(かの有名な黒い眼帯!)


ガリバルディが両シチリア王国を征服、
その土地が北イタリアを中心とするサルディーニャ王国のヴィットーリオ・エマヌエーレ2世に献上されて
イタリア王国の成立が宣言されるまであと一年ほど。

私は不幸なことに、新旧二つの世界にまたがって生きている」

自身も貴族の末裔であるヴィスコンティの美学が詰まった3時間の大作は
花火が消える前の一瞬の輝きを描いているようであった、と思います。

世界の宝物。何度でも観たい。


Thursday, 14 January 2016

memories are the best souvenirs, but...

旅の思い出は写真とともに。
旅先で買う自分へのお土産は、ほんとうにちょっとしたものをひとつふたつでいい。

今回の旅まで、そう思って生きてきました。
渡航先ではお気に入りのマグネットを探し、それをひとつ自分のために買う、というのが
今までの海外旅行でのマイルールでした。

...がしかし!

ここはアメリカ、消費大国。
街のメインストリートを歩けば、わたしたち観光客の購買意欲をかき立てる素敵なお土産や雑貨が
高すぎず、安すぎず、ちょうどいい金額の値札をぶら下げてショーケースに並び
「わたしかわいいでしょう。買って買って!あなたの国に連れて行って〜」と、訴えかけてくるのであります。

そんなかわいこちゃんの声を無視し、ひたすらマグネット探しに奔走するなんて、
わたしにはできなかった。

結果。

みみこ 爆買い in the U.S....。

万が一荷物が増えてしまったときのためにとスーツケースへ忍ばせておいた
ロンシャンの折り畳めるバッグ(Lサイズ)が、それはもう大層役立ちましたとさ。

ということで、今回わたしが自分のために買ったお土産はこちらです。


可愛い雑貨が所狭しと売られている、サンディエゴのオールドタウンにて
カラフルな十字架の壁飾りを三つ購入。
実はこれ、全てメイド・イン・メキシコなのだけれども...(あれっ)
陽気な色使いとデザインが今の自分の気分にしっくりきて、すっかり気に入ってしまいました。
左のふたつは並べて玄関に、右側のものはお部屋に、それぞれ飾っています。

セドナにある老舗の石のお店では、奮発して大好きな鉱物を買いました。
たくさんの天然石から自分の部屋に馴染むものを厳選してゆく作業がとても楽しかった。
透明度が高く、きらっきらのアメジスト、
光の当たり具合によって虹をつくる石、エンジェルオーラ、
天然の黄色が何とも珍しいゴールデンヒーラークオーツ。
わたしは綺麗な石が大好きなので、ただただ眺めるだけで何ともいえない幸せな気持ちになります。

同じくセドナのアクセサリーやさんで買ったターコイズのピアス。
天然のターコイズが放つ青色の美しさに心奪われ、
小さな傷が加工されることなくそのまま素材として使われている、その手作り感も気に入って
目に入るやいなや日本へ持って帰ることに決めました。
金具がゴールドなところも素敵。

体にやさしいオーガニックフードを自社展開しているグローサリーストアTrader Joe'sにて
クッキー、オーガニックミント、そしてグルテンフリーのケールチップス諸々
自分用と職場・友人へのお土産にどっさり購入しました。
そう、わたしはこのお店で爆買いしてしまったのであーる。
味はもちろんのこと、パッケージがとっても可愛くハイクオリティ。
大西洋の向こう側にお気に入りのお店ができて、わたしはとっても嬉しい。


旅の出会いは一期一会。
それは人でもモノでも同じこと。

大切なお土産に出会えて、本当によかったな。

(あっマグネット買うの忘れた!)