Saturday, 19 September 2015

Selamat Kuala Lumpur

マレー語で、散歩することを「ジャラン・ジャラン」と言うのだそうです。

南の島を後に降りたった、二日間だけのクアラルンプール。

ランテンガ島の眩しい太陽はどこへやら、マレーシアの首都の空は白みがかっていて
あちらこちらとジャラン・ジャランするのには丁度よい気温でした。

KLセントラル駅からブキッ・ビンタンにあるホテルまで乗せてもらったタクシーのおじちゃんが
「この街ではイスラム教キリスト教、仏教、ヒンドゥー教、何教を崇拝していてもいい。
あなたがどの国出身でもいいんだ。ピースフルだろう。ウェルカム・トゥー・クアラルンプール」
と話してくれて、なんだかそれがもう、この街の全てなんだと思った。

街の真ん中に、西洋のかおり漂う建築物を見つけることができました。
英国統治時代の名残でしょうか。
マレー語、中国語、英語の飛び交う、活気ある街。

イギリス人建築家が建てた、クアラルンプール最古のモスク、マスジット・ジャメ。
丁度お祈りの時間で中に入ることはできなかったのだけれど、外から眺めるだけでもうっとり。

こちらも、マスジット・ジャメと同じイギリス人建築家によるマレーシア鉄道の本部ビル。
お揃いのタマネギ頭に重厚なボディ...たまりません。
(歴史的建造物大好き!)

来てよかったと心の底から思った、イスラム美術館。
千夜一夜物語の世界を彷彿とさせる、豪華絢爛な展示物の数々。
わたしの一番のお気に入りは、カラフルな宝石が施された短剣です。

イスラム美術館は天井がモスク仕様でした。その美しいこと!
併設されたアートショップにはおしゃれなグッズが多数取り揃えられていて
この場所ってば、どこまでもわたしの好みだった。

興奮冷めやらぬまま、イスラム美術館のモザイクタイルをぱちり。
細やかで素晴らしいなー。

インド系の方々が信仰するヒンドゥー教のスリ・マハ・マリアマン寺院。
目に次々と飛び込んでくる極彩色の装飾にただただ圧倒されてしまいました。
裸足で参拝します。

こちらは中国系の方々が参拝に訪れる仏教寺院の関帝廟。
三国志で知られる武将、関羽がまつられています。
お香の匂いが立ちこめる、荘厳な雰囲気の場所でした。

お土産探しにもってこいの、セントラルマーケット。
なんて愛らしい淡いブルーのエントランス。

マーケットの中は、カラフルでごちゃごちゃとしていて、とにかく楽しい!
マレーシア産のお土産は、殆どここで見つかります。

イスラミックアートチックな、かわいいタイルを発見。
ずーっとイスラム教の国に行ってみたいと思っていた理由のひとつは
こんな風にこだわりのデザインが建物のいたるところに隠されているからです。

それはそれは広ーい、国立モスク。
礼拝の時間になると「アザーン」と呼ばれる、礼拝を促す呼びかけが大音量で流れます。
男性の重厚な声が妙に心地よく
今回生まれて初めて聞いたのに、懐かしい気持ちになった。

今回宿泊したWOLOというホテルのオリジナルアメニティが面白かったのでぱちり。
せっけんを”shower gel's ancestor."とディスクライブするなんて、かわいいではありませんか。
このホテルはお値段がお手頃でお部屋がスタイリッシュで、終始クラブミュージックが流れていて
わいわいと滞在したい子たちにおすすめです。

大好きになった食べ物、骨肉茶(バクテー)!!!
漢方入りのスープで豚肉やホルモンをとろっとろになるまで煮込んだ食べ物です。
お肉のやわらかさと漢方の香りがくせになり、2日続けて食べました。
あぁまたすぐにでも食べたいよう・・・。

クアラルンプールから電車で20分の、プトラジャヤという街にあるピンク色のプトラモスク。
テーマパークさながら、ぴかぴか綺麗に作り込まれ過ぎているその姿と
ひっきりなしに到着する観光バスの様子に、ちょっぴり面食らってしまった。
荘厳な場所かと思ったら、建設間もないばりばりの観光名所だったんだね。

それでも、バラ色の花崗岩を使って建設されたプトラモスクの中へひとたび入れば、
その乙女度満点の繊細な装飾にたちまち目が釘付けに。
窓のステンドグラスにブルーが使われているのが良いアクセント。

千人以上を収容できる、広い広い一階部分。
なんだか突然ショートケーキを思い出しました。

こちらはプトラモスクのすぐ隣にある、タマネギ頭の首相府。
プトラジャヤはマレーシアの首都機能を担っている場所でもあるのです。
行政新都市として今なお開発され続け、日々新しく進化する街。

バンサービレッジ内にあるモロッコ式ハマムスパ、その名もHammam。ここ、本当に最高でした。
様々あるメニューの中から"My Favourite Concubine Hammam"(きゃ)をチョイス。
ハマムで身体を暖める→モロッコ出身のマダムによるモロッコ式あかすり→薬草の全身パック→極楽マッサージ。
2時間経つ頃には、脱皮したかのようなつるつる肌をゲットしました。
店内のインテリアも、モロッカンで可愛いかったんだ。


ジャラン・ジャラン。

旅に出ると、否が応でも自分が日本人だと自覚する作業を繰り返すのが常でした。
どんなに楽しい旅であっても、行く先々の街ですれ違う人々の視線、その土地の空気は
いつまでたってもわたしが異邦人のままであるということを強く物語っていた気がします。

だけれども、イスラム文化と他文化が交わる不思議な街、クアラルンプールでは
わたしが誰なのかということを、誰も気にしない。

それが非常に心地よくって、自分が旅人であるということも一瞬忘れそうになったっけ。

知らないのに、知っている。

初めてなのに、懐かしい。

わたしってば、前世はマレー人だったのかもしれません。

Tuesday, 15 September 2015

The Waves of the Sea Help Me Get Back to Me

マレーシアのランテンガ島へ行ってきました。

8月上旬のうだるような暑さの中、終わらない仕事を抱えつつ、現実逃避をするように
東南アジア方面にある「人が少なくて、静かで、海が綺麗な場所」を探していたら
ふと目に入ってきたのはランテンガ島の情報。
今までその名前すら聞いたことがなかったというのに、
それからはまるで島に呼ばれているかのように、あれよあれよという間に旅行の段取りが整い
気付けばもう、出発の日を迎えていたのでした。

クアラルンプールからクアラトレンガヌという場所まで飛行機で移動し、
小さなボートに乗り換えてひたすらに海の上を進みます。
きっと20分もボートに乗っていればで島が見えてくるのだろうと予想していたのですが、
曇り空も手伝ってか、進めど進めど、視界の先に広がるのはただ海の果て。

「まだ着かないんだね〜」なんて、表面では平静を装いながらも
一体わたしは今どこにいて、どこへ向かっているのだ?
このまま島にたどり着けないで、遭難するってこともあるかも?
ボートが転覆したらどうしよう、わたし泳げないんだけど?
と、心がざわつきはじめ、なぜか頭の中では、小学生のとき初めて出場したピアノコンクールの課題曲だった
ブルグミュラー25曲の練習曲の「心配」がリピートし始める始末。

神様、わたし、海は怖いところだって、親に言われて育ったんです・・・。

それから数十分。

わたしは叫んで、安心と感動と太陽の眩しさを、心の底からお祝いしたいと思いました。
目の前に広がった景色が、この世のものとは思えないくらいに美しかったから。

頭の中のBGMは
ブルグミュラー「心配」から一気にベートーヴェンの第九「歓喜の歌」へ。
わたしってば、こんなにも素敵な場所へホリデイに来たんだ!

ボートを降りて、いよいよランテンガ島へ上陸。
クアラトレンガヌからずーっと曇り空だったのに、
この島の上空だけは透きとおるほどに晴れ渡っています。

自然のままの風景。
この島はレダン島の近くに位置しているのですが、
開発されてリゾート地の代名詞となったレダン島よりも
海の透明度はこちらの方が、ずっとずっと高いのだそうです

この島には3棟だけ、ホテルがあるのですが
今回宿泊したのはその中のひとつ、D'Coconut Lagoonというヴィラです。
決して至れり尽くせりのお部屋ではありませんが、離島だということを考えれば十分満足できるファシリティ。
部屋からビーチまで直結しているので、ベッドから徒歩10秒でもう海です。

ヴィラの中には立派なプールも。
わたしは今回このプールでひたすら犬かきの練習をさせられることとなったのですが
その結果、なんとなーく泳げるようになりました!奇跡!!

この場所がココナッツ・ラグーンと呼ばれるその由縁。
青々として、どこまでも伸びてゆきそうなココナッツの木たち。
手入れされていないもの、そのものの美しさがそこにはありました。

ごはんは毎食ビュッフェ式。
この島にはスーパーやカフェ、小さな売店すら建っていないので
みんな毎回このビュッフェでたくさん食べ、お腹を満たします。

わたしのご飯を狙って、椅子のうえに飛び乗ってきた猫さん。
レセプションで働いている男の子の飼い猫です。
必殺の上目遣いがかわいい・・・。

真っ赤っかに日焼けしたみみこ、ランテンガ島はココナッツ・ラグーンのまんなかで叫ぶ。
「またこの島に帰ってきたいよーー!」
「日本に帰りたくないよーー!」

珊瑚のかけらと、もう咲く時期を終えて地上に落ちてきた、南国に咲くお花のめしべ。
珊瑚のかけらは動物の骨のようにも見えます。

ココナッツ・ラグーンの裏山を7分くらい登ってゆくと、驚く程に美しい、タートル・ベイと呼ばれる場所へ到着しました。
ここでシュノーケリングをすると、ウミガメに会う事ができるのだそう!
人の少ない小さな島の裏手にあるこの場所は、いつ来てもプライベートビーチ状態でした。

ビーチに大きなバスタオルを敷き、その上に寝転がって
大好きなジャネット・ウィンターソンの『灯台守りの話』を読みました。
海の香りのする物語をを異国の海辺で読むことの贅沢。

海沿いの大きな岩の上にのぼり、涼を得る夕方。
島には海とホテルだけ、カフェもショッピングモールもないこの場所では
大自然の素晴らしさを肌で感じ、自分も自然にかえることができます。


プールでの犬かき特訓とあわせて、今回は海に浮くことも覚えました。
すうっと身体の力を抜いて、海に身をまかせ、ぷかぷかと波のうえに浮かぶことの楽しさといったら。
日頃のストレスや心配事が水に溶け出して流れてゆく感覚。海って、自然って、最高すぎる。

お化粧もせず、頭をからっぽにして、ゆっくりと過ごした2泊3日
何もない贅沢って、こういうこと!