Saturday, 10 March 2018

"Vienna is a handsome, lively city, and pleases me exceedingly."

縁あって、人生2回目のウイーンにやって来ました。

真冬。
こんな季節に旅をするのだから、ある程度の寒さは覚悟していたのだけれど。

ヨーロッパを大寒波が襲った2月。
北国出身とはいえすっかり東京の冬に身体が慣れきっていたわたしにとって、
連日マイナス10度前後と肌を刺し耳まで凍るような冷たい空気の中街歩きするのは久々で
想像以上の寒さに耐え忍びながら楽しみを見つけてゆく作業の繰り返しとなりました。

「寒くない!寒くない!」という自己暗示とエドウィンの裏起毛ジーンズ、
そしてウィーンのカフェ文化と美味しい料理に救われた旅であったな。

ウイーン市庁舎前には毎冬恒例のスケートリンク。
わたしもここでスケートをしたいぞ!と思っていたのだけれど
いざやって来たら子供達しかいなかったので気後れして滑らず。

ウイーン1区の美しさにはっとした。
冬は観光のオフシーズン。なんとまぁ人の少ないこと。
わたしたちはこの美しい街並みを、独り占めした!
るるるる〜。

DEMEL本店のティーサロンにてデメル版ザッハトルテを
予め電話で予約をしてもらっていたので、長蛇の列に並ばず直ぐ着席できました。
皇姫エリザベートもお忍びで訪れたという名店のザッハトルテは甘さ控えめ。
たっぷりのクリームと一緒にどうぞ。

はいっ、こちらは日本語でヤマウズラを意味するRebhuhnというお店でいただいた
サクサクのウインナー・シュニッツェル。
わたしの両手よりも大きかったので食べきれるか心配になるも、
薄くて軽い仕上がりのためあっという間に食べきってしまったよ。

ナッシュマルクト内にある小さく可愛いレストランNeniでのランチは
野菜のグリルとフムス、フォカッチャ付き。
店員さんもお客さんも若くておしゃれな子ばかりだったのが印象的。

ウイーンっ子の集まる老舗カフェDiglasにて
チョコレートケーキとホットチョコレートというチョコレートづくしを味わう。
どこからか長身のお兄さんが現れ、突然店内のピアノでジャジーな曲を奏で始めた優雅な午後でした。

プラーターのすぐ近くに位置するレストランGasthaus Hansyにて食べたのは
ウイーン風ビーフステーキ、ツヴィーベルローストブラーテンという呪文料理。
濃厚な甘口ソースと柔らかなお肉、カリカリに焼かれたオニオンスライスが相まって
天にも昇る美味しさだったなぁ。

旧市街にひっそりと佇むは三位一体ギリシャ正教会。
17世紀この界隈は貿易を営むギリシャ商人が多く住み始め、ギリシャ人街として栄えたのだそう。
ビザンチン様式の豪華絢爛な教会の中はカトリックの教会と趣が異なり、薄暗くて祭壇や椅子がありません。
祈りの部屋で熱心に祈りを捧げるひとりの信者さんの姿が印象的でした。

なんて事ない住宅街、通りすがりに見つけたタイルに目が釘付け。
どこの国へ行ってもこういう細やかな作業が施されたものを見つけては喜んでいる。
どことなく西洋と東洋が融合したようなデザインだなぁと惚れ惚れ。

エドウィンの裏起毛ジーンズからワンピースに着替え、かの有名な学友協会へ。
ニューイヤーコンサートでお馴染み「黄金の間」でブルックナーの交響曲第0番を聴きました。
死ぬまでに学友協会で音楽を聴きたいという夢がこんなに早く叶ってしまった。
しかも父の大好きなブルックナーの交響曲!
心の底からありがとう。

2本の円柱が目を引くシンメトリーな教会カール教会。
ペストが大流行した1713年、マリア・テレジアの父カール6世により、
ペストの守護聖人ボロメオを祀る教会として建立されました。
ウィーン中心部のランドマーク的存在です。

19世紀のオーストリア建築界に突如沸き起こったユーゲント・シュティール(アール・ヌーヴォーと意は同じ)を代表する建築家のひとり
オットー・ワーグナーの作品、マヨリカハウス。
壁の装飾とゴールドのバルコニーがいかにも世紀末風で素晴らしいので、
いつまでも眺めていられる。

こちらもオットー・ワーグナーが設計したカールスプラッツ駅舎。
ひまわりはユーゲント・シュティールで多用されたモチーフなのだそうです。
写真に収まっているのは、完璧な旅を用意してくれた、わたしより小顔な海の向こうの人です。

またまたこちらもオットー・ワーグナーの作品、メダイヨン・マンション。
近づいてよく見るとメダル型のレリーフが装飾されています。
グリーンとゴールドの色使いがワーグナーの特徴ですね。

地震も無く、古く良きものを大切にするこの国では
100年を越す建築物が丁寧に手入れされ、今も変わらず機能しています。
中でも滞在させてもらったこのフラットのエントランスはため息ものの美しさ!
しかも、ここから10分もしない所にシュニッツラーが晩年を過ごした家があったので震えた。

早朝からオープンしているベーカリーで選んでもらった焼きたてのパンから漂ういい匂い。
冬の日の朝ご飯は寒さに負けないようにボリューム満点。
幸せをそのまま表現したようでもあって、泣きそうになる。
ひとりぼっちでない朝食はよいものだよね。


"Vienna is a handsome, lively city, and pleases me exceedingly."
そう言ったのは、かの有名なショパンなのだそうですが、
それから100年以上の時を経て、2018年の今、わたしも全く同じ気持ちでいる。


春の花咲くベルベデーレ宮殿を訪れることを夢見て、
冬の装いをした美しい国と暫しのお別れです。


Sunday, 14 January 2018

Japanese Camellia in Winter



2018年の初めに、東京の片隅の私的パワースポットへ足を運びました。
1月の凛とした空気のなか、冬の椿は逞しく美しい。

新年の決意を表明し、それはもう身の引き締まる思いです。
今年も素敵な1年になりますように。

Friday, 29 December 2017

MALTA

成田空港からイスタンブールを経由し、マルタへとやってまいりました。

マルタは、地中海に浮かぶ小さな島国。
イタリアのシチリア島とチュニジアの間に位置し、地中海の宝石と呼ばれています。
欧州有数のリゾート地として知られるマルタ島。やっぱりベストシーズンは美しい海を満喫できる夏なのだけれど。
12月だってこの地は東京の秋のような気候で、十分に街歩きを楽しむことができました。

首都バレッタは港を守るために建てられた城塞都市。
街全体が世界遺産として登録されており、どこを歩いても素晴らしい景色が目に入ってきます。
街全体のアップダウンがかなり激しいので、息を切らしながら
「マルタストーン」と呼ばれる蜂蜜色の石灰岩を使用して作られたバロック様式の建築物の美しさを堪能しました。

イタリア発祥のジェラート屋さん「アモリーノ」にてバラの花に見立てたジェラートを。
マンゴー、ストロベリー、キャラメル、ピスタチオの4フレーバーを選びました。
クリスマス仕様の愉快なサンタマカロンも付けてもらったよ。
人工着色料や保存料、香料を一切使用していない新鮮なジェラートです。

「ミュージアムカフェ」で一休み。
カフェの中は古めかしい時計やおもちゃ、ポスター等
オーナーさんの好きなもので溢れ返っており、なんとも懐かしさ溢れる空間でした。
ハーブたっぷりのソーセージ入りマルタ風サラダを注文したところ
なんと大きなブルスケッタが2つも付いてきて、思いの外ボリューム満点。
すっかいお腹がはちきれそうに。

フェリーに乗って首都ヴァレッタから対岸に位置するスリーマまで。
青い海、青い空、美しい城塞都市。
12月とは思えない気持ちよいクルージングにうっとり。

海沿いにホテルが並ぶスリーマエリアは、ショッピングストリートも近く何でも揃い、
観光客の宿泊に最適な場所です。
賑やかな繁華街から離れ坂を登ってゆくと、たちまち閑静な住宅街へ。
マルタ特有のカラフルな出窓とドアが並んでいて、思わずかわいいと叫んでしまいました。

ブルーで統一されたお宅。
ドア上のアイアンで作られた飾りが孔雀のようで美しいではありませんか。
ドアノブや手紙受け等がゴールドで統一されているのも素敵。

青と黄色のコントラストにフーシャピンクのコートを纏ったお姉さんが映える。
とても良い瞬間でした。

キリスト教徒が9割を閉めるマルタの皆さんのお家のドア横には
ジーザスや聖母マリアのレリーフが飾られています。
様々なデザインがあり、それぞれが個性的なので眺めるだけでも楽しい。

別名猫の島とも呼ばれているマルタ島。
オッドアイのカラフル猫が姿勢よくこちらを見つめる、ここはセントラルガーデン。
猫がたくさん住みついていることで有名な公園です。

今回遭遇した猫さんの中でベストオブベストはこちらのアクロバッド・トラ猫。
ベンチの隙間からしっぽを垂らして毛繕いしていいるところがとてもよいではありませんか・・・。

サンジュリアンの名店「ペペロンチーノ」で食べたお魚はふわふわで最高。
マルタは海に囲まれているので新鮮な魚介を堪能できます。
タコのサラダやイカのフリットも驚く程にお安くて美味。
そうそう、魚介の旨味がたっぷりのスープ、アリオッタの注文の忘れずに。

早朝から営業しているスリーマの名物カフェBusy Beeでは
大好きなフルイングリッシュ・ブレイクファストを頂くこともできました(喜)!
昔から馴染みの地元民が集うこのカフェ。
どこか懐かしいその雰囲気と、とてもフレンドリーなお店の方に囲まれて、気分はすっかりマルティーズ。

マルタの伝統菓子、カンノーロ。
サクサクした生地でできた円の筒の中にたっぷりのリコッタチーズが詰まっています。
元々はイタリアのお菓子なのですが、マルタの至る所で見つけることができるので、食べ比べするのも楽しいかも。
わたしたちも今回の旅で3カ所のカンノーロをいただきましたが、
Busy Beeで食べたものが一番あっさりした甘さで美味しかったです。

マルタ名物パスティッチ。ベーカリーで必ず売られているペストリーです。
パイ生地の中に豆のペーストやリコッタチーズが包まれていてボリューム満点なのに
1個0.5ユーロ以下のお値段という衝撃。
小腹が空いたときの救世主です。

スリーマからフェリーに乗ってゴゾ島へ。
手入れされていない自然の景観が丸ごと楽しめる、マルタ北部の小さな島です。
ごつごつとした白い岩のビーチは今までの人生でお目にかかったことが無かったのでとても新鮮でした。
海の濃いブルーと白い岩のコントラストが美しい。

高台から眺めたゴゾ島の港の様子。
やわらかな風が吹きとても気持ちがよかったです。
アズールウインドウと呼ばれるかの有名なアーチ型の岩は
今年の春の嵐で崩壊してしまったので残念ながら見ることができなかったけれど。
それもまた自然の定め。

 その澄みきった美しさが有名なコミノ島の海。
ブルーラグーンの神秘的な色の変化にただただ感動。
12月とは思えないくらい燦々と降り注ぐ太陽と波の音に心の底から癒されました。
オフシーズンで大変静かだったので、岩の上に座り、読書をするなど。

マルタ島の中西部に位置する、カタコンベで有名な都市、ラバト。
わたしの身長の3倍以上ある大きなサボテンの下に巨大迷路のような地下墓地が広がっています。
古代ローマ時代、要塞都市イムディーナでは、街の中に死者を埋葬することが禁じられており、
亡くなった人々は、イムディーナからほど近いこのラバトの街に埋葬されていたのですって。

こちらはラバトのランドマーク聖パウロ教会。
伝説によると、西暦60年頃エルサレムで捕われの身となった聖パウロは、ローマに送られる途中に船が難破してマルタに漂着。
この場所の地下洞窟に身を隠しながら、キリスト教の布教活動を行ったのだそうです。
キリスト教がマルタに広がった由縁の地。

ラバトからイムディーナまで徒歩で向かう途中、とても可愛らしいカフェを発見。
甘ーいパスティッチと、チキン&ほうれん草のパイをいただき、パワーを補給しました
石造りの急な階段や、床の軋む音に中世を感じる。

かつてマルタの首都として機能していた要塞都市イムディーナ。
堂々とした佇まいの聖パウロ大聖堂を中心にして広がるこの街は、サイレントシティと呼ばれています。
自動車の侵入が制限されているため、
街を歩けば耳に入るのは石畳に反響する靴の音と人々の話し声だけ。

イムディーナの街は、しっかりと管理・手入れされており、どこを切りとってもフォトジェニックなのですが、
その中でも特にこちらの淡い水色のドアとピンク色の花が咲く木の組み合わせは大変美しく目を惹くため、
多くの人が足を止めて見入っていました。

整えられた窓の美しさ。
窓の開閉具合や、窓と窓の間に飾られた植物、間隔に飾られた鉢の様子に感動。
降り注ぐ太陽に照らされ、マルタストーンはより黄金の蜂蜜色に。

マルタ島南部に位置する漁業の街マルサシュロックにて。
マーケットが開かれている海岸通を南に歩いてゆくと、可愛らしい貝殻アートに出会えます。
LOVE MALTA !

マルサシュロックのカラフルな伝統漁船「ルッツ」には、漁師を守る魔除けの意味で
「オシリスの目」と呼ばれる1対の目が付いています。
あまりにも不思議で可愛らしいデザインなので、
マーケットでオシリスの目のマグネットを購入してしまった。

マルサシュロックのマーケットでは、名産の蜂蜜、ハーブ入りのお塩、魚介類、
お菓子に洋服、なんでも揃っています。
このキッチンクロスはデザインがとっても素敵で、お料理好きな友人へのお土産にぴったりだと思った。
(何枚か買うと値引きをしてくれます!)

スリーマのバルコニーから見えるマルタの夕暮れ。
のんびり行き来する船やバスの様子を眺めるにつけ、
この島のことが好きになりすぎて、何日でも滞在できると思った。

この島にパリやロンドンのような派手さはありません。
だからこそ、楽しむべきは、揺蕩うように流れるゆっくりとした時間に身を任せ
一日の予定を詰め込みすぎることなく、暮らすように街歩きをすること。
例えば、ふらっと立ち寄ったカフェで、地図を読み間違え偶然辿り着いた海の見える丘で、
なかなか来ないバスを待つ小さなバス停で、
心躍る景色を発見したり、思いがけない出会いをする。

例えば、洞窟のように小さく薄暗いバーで雨宿りがてらグリューワインを飲んでいたとき
店内に流れ始めた曲のバンド名が思い出せなくてあれでもないこれでもないと騒いでいたら
強面のバーテンダーさんがわざわざわたしたちのところにやって来て
「これがこの曲のCDだよ。」と教えてくれる。
(実話)

美しい街を歩き心優しく温かな人たちと交流することこそが
マルタ旅の醍醐味なのだと感じました。

Sunday, 24 September 2017

SKINS


今年Netflixで一番夢中になったドラマそれは『スキンズ』。
どのくらい夢中になったかというと、ドラマのテーマ曲が夢に出てきたほど!

2007年から6年間、10代の恋愛や友情を、社会問題を織り交ぜながら
ポップかつスタイリッシュに独自の視点で描き続けた2000年代英国ティーンドラマの金字塔です。

ニコラス・ホルトやカヤ・スコデラリオ、ハンナ・マリー、ルーク・パスカリーノ...
英国の今をときめく若手俳優達(当時は皆まだ10代)が次々と登場するのだから
なんて贅沢なドラマなのだ...!とため息を付かずにはいられません。


7シーズンに渡る本作は、約2シーズン毎に主人公の世代が変わりキャストが総入れ替えになるのですが、
ダントツに面白かったのは、やはりシーズン1&2のファーストジェネレーションでした。

容姿端麗成績優秀だけれど性格に難ありなTony、心は優しいけれどどことなく情けないSid、
いつだって夢見がちな不思議ちゃんのCassie、学年で一番の美少女Michelle、
先生に恋するやんちゃなChris、真面目で皆のお姉さん役Jal、
親に反対されながらもダンサーを目指すMaxxie、脱童貞を夢見るムスリムのAnwar。

ドラッグ、摂食障害、ネグレクト、家庭内暴力、心の病など
なんともダークなテーマを扱いながら、
英国式のウイットとユーモアに溢れた優しい視点で仲良し同級生8人それぞれの青春を映し出し、
『トレインスポッティング』を彷彿とさせる大胆な画面構成や
突然のミュージカル風な演出を取り入れて
見る側のわたしたちを決して飽きさせないドラマです。

TonyとSidが亡き大親友の棺を盗み、ブリストルの街を車で疾走するシーンは
みみこ的ドラマ史に残る名場面となりました。
エモい...エモすぎるよ!

若者特有の早口な英国スラングに耳は追いつかず目は回りそうになりながらも
鑑賞するのが楽しみで仕方なかった作品。

甘酸っぱいだけの青春ドラマはもういらないんだな。

Thursday, 31 August 2017

Raindrops and August


春のおわりか秋のはじまりかと思うほどに涼しかった8月の弘前。

実家の庭にはまだ紫陽花が咲いていて
しっとりと佇むそのうしろ姿は静脈のように不気味で美しかった。

裏庭の小さな畑ですくすくと成長している野菜たちも
雨に濡れ、きらきらと輝いて宝石のよう。