Sunday, 24 September 2017

SKINS


今年Netflixで一番夢中になったドラマそれは『スキンズ』。
どのくらい夢中になったかというと、ドラマのテーマ曲が夢に出てきたほど!

2007年から6年間、10代の恋愛や友情を、社会問題を織り交ぜながら
ポップかつスタイリッシュに独自の視点で描き続けた2000年代英国ティーンドラマの金字塔です。

ニコラス・ホルトやカヤ・スコデラリオ、ハンナ・マリー、ルーク・パスカリーノ...
英国の今をときめく若手俳優達(当時は皆まだ10代)が次々と登場するのだから
なんて贅沢なドラマなのだ...!とため息を付かずにはいられません。


7シーズンに渡る本作は、約2シーズン毎に主人公の世代が変わりキャストが総入れ替えになるのですが、
ダントツに面白かったのは、やはりシーズン1&2のファーストジェネレーションでした。

容姿端麗成績優秀だけれど性格に難ありなTony、心は優しいけれどどことなく情けないSid、
いつだって夢見がちな不思議ちゃんのCassie、学年で一番の美少女Michelle、
先生に恋するやんちゃなChris、真面目で皆のお姉さん役Jal、
親に反対されながらもダンサーを目指すMaxxie、脱童貞を夢見るムスリムのAnwar。

ドラッグ、摂食障害、ネグレクト、家庭内暴力、心の病など
なんともダークなテーマを扱いながら、
英国式のウイットとユーモアに溢れた優しい視点で仲良し同級生8人それぞれの青春を映し出し、
『トレインスポッティング』を彷彿とさせる大胆な画面構成や
突然のミュージカル風な演出を取り入れて
見る側のわたしたちを決して飽きさせないドラマです。

TonyとSidが亡き大親友の棺を盗み、ブリストルの街を車で疾走するシーンは
みみこ的ドラマ史に残る名場面となりました。
エモい...エモすぎるよ!

若者特有の早口な英国スラングに耳は追いつかず目は回りそうになりながらも
鑑賞するのが楽しみで仕方なかった作品。

甘酸っぱいだけの青春ドラマはもういらないんだな。

Thursday, 31 August 2017

Raindrops and August


春のおわりか秋のはじまりかと思うほどに涼しかった8月の弘前。

実家の庭にはまだ紫陽花が咲いていて
しっとりと佇むそのうしろ姿は静脈のように不気味で美しかった。

裏庭の小さな畑ですくすくと成長している野菜たちも
雨に濡れ、きらきらと輝いて宝石のよう。


Monday, 29 May 2017

Celestial Wives of the Meadow Mari

フォークロア好きなら、恋に落ちずにはいられない映画に出会いました。

『神聖なる一族24人の娘たち』

85ある連邦構成主体のうち22が共和国として独自の言葉や憲法を持つことを許されている、
広大なロシア連邦。
この映画は、モスクワから電車で約16時間、ロシア西部のヴォルガ川沿いに位置する、マリ・エル共和国が舞台です。

文明社会の中で、自然崇拝や魔術といった民族文化を継承し続けるマリ・エル共和国の人々。
主人公はそこに住む24人の女性たち。
オロプチー、オシュヴィーカ、オヴロシ、オシャニャク・・・
皆の名前がOから始まる彼女たちによって綴られた、神秘的かつ滑稽で摩訶不思議な物語に
すっかり心を奪われてしまいました。


ある女性は風になり、ある女性は森の精霊に呪いをかけられ、
ある女性は恋まじないのコイン投げに泣き、
ある女性はキノコ狩りにまだ見ぬ結婚相手の妄想を膨らませ、
ある女性は男達の亡霊を見て、踊る。

きらきら光る美しい四季の様子を背景に、
万華鏡のように華やかな民族衣装を身に纏った女たちはのびやかに今日を生きる。

寓話のような、ファンタジーのような世界観から見えてくるのは
何百年も前から受け継がれ、今も変わらずただそこにある、人々の「性」と「日常」です。

恋と性愛と悲哀と笑いの間を行き来する24のオムニバス形式から一転、
女性達の眩しい笑顔と唐突なメッセージが一気にスパークするラストシーンに
多少置いてけぼりをくらった気分になりながらも、
後々考えたら、あぁそういうことだよなぁと妙に合点がいきました。

だって、争いごとのなかにあっては、わたしたちは生を謳歌できないのだから。

そう。

世界に、平和を!



Monday, 1 May 2017

Pretty in Pink



お堀を埋め尽くした花筏。
終わりかけのソメイヨシノと、丁度満開を迎えた枝垂れ桜。

毎年のように訪れているけれど、今年も弘前公園の桜は素晴らしく
それはもう天国のようでした。

なんと今年で100年目を迎えたという弘前さくらまつり。
これもひとえに桜の木の樹木医である「桜守」さんのおかげ。

これから先も、この美しい情景が毎年変わらずそこにありますように!


Friday, 31 March 2017

EQUALS

「未体験ゾーンの映画たち 2017」で3月に1週間だけ上映されたSF映画『ロスト・エモーション』。

今のわたしの気持ちにピタッとはまるとても美しい映画だったから
観賞後、普段はあまり好きでない渋谷の街が少しだけ輝いてみえた気がした。

世界的な大戦争により地球の9割以上の土地が破壊されてしまった近未来。
人間の持つ感情こそが地球を滅亡させる元凶であると考えた政府は
遺伝子操作によって感情を持たなくなった人々の共同体をつくり、
恋愛感情や欲望を持つ人間は異常者として隔離施設に送ったのち安楽死させていました。

統制された共同体のなかで、感情を「発症」してしまったニアとサイラス。
保険局の監視を搔い潜って逢瀬を重ねる二人に待ち受けてけている結末とは。


透きとおるようなサイラスの青い瞳が印象的なオープニング。
そう、この映画は瞳の映画でもあった、と思う。

人間は感情を持たないことが当たり前とさせる世界で、彼らは最低限の言葉しか交わしません。
その分驚きや焦りや不安、愛情の目覚めと喜びといった様々な感情が呼び起こされる様子が
それはもう繊細な瞳の動きによって表現されるのです。
ニコラス・ホルトとクリステン・スチュワート、目を見張るほど美しい主演の二人の
映画前半マネキンのような無表情を装いつつ目でものを言うその演技が素晴らしかったです。

長岡造形大学やMOA美術館、シンガポールボタニックガーデンなど
日本とシンガポールで撮影されたというどこまでも無機質な白と緑でつくられた完璧すぎる近未来の世界観のなか
モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークや
ベートーベンのピアノコンツェルトといったクラシック音楽が流れるのがミスマッチで印象的だったし、
Mogwaiの"I Know You Are, But What Am I?"は映画のラストにぴったりすぎる選曲で、
とにかく映像と音楽で「魅せる」センスのよい映画でした。

世界戦争の後、人々が感情を持つことが禁止されるという設定は『リベリオン』を彷彿とさせるけれど、
この映画では、誰も世界を変えようと戦ったりしません。
ただただ恋に落ちた男女ふたりが、自分たちの幸福のために、とある決断をするのです。

人々が平和で幸福に生きる世界。
それはやっぱり、愛がなければ成り立たない。

これほどにエモーショナルでスリリングで愛に溢れた美しいディストピア映画を
わたしは今までに観たことがあったかな。